2020年08月18日
AGC、コロナワクチン補助剤、米シアトルで増産
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:AGC

 AGCは18日、CDMO(製造受託)子会社のAGC Biologics(本社.米国)が、米国のNovavax社から、新型コロナウイルス感染症ワクチン候補「NVX-CoV2373」のアジュバント(補助剤)である「Matrix-M」の受託規模を従来の約1.5倍に拡大すると発表した。追加受託分は、米国シアトル工場で製造する。

 Novavax社は重篤な感染症の次世代ワクチン開発を行うバイオテクノロジー企業。
「NVX-CoV2373」は、同社独自のナノ粒子技術を使用して製造する新型コロナウイルス感染症ワクチン候補。

 同社は、従前からのCEPIの支援に加え、2020年7月に米国政府が新型コロナウイルス感染症ワクチン開発を目的として立ち上げた官民連携プロジェクト「Operation Warp Speed」から16億米ドルの助成を得て、ワクチンの臨床開発を進めている。「Matrix-M」は、「NVX-CoV2373」の効果を高めるため、同社が占有するアジュバント。

 AGC Biologicsは現在、Novavax社のワクチン供給量大幅増強に対応して「Matrix-M」の製造プロセス最適化を図っており、現在稼働中のコペンハーゲン工場に加えて、今回シアトル工場でも「Matrix-M」を製造することにした。


ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1597717721.pdf


<用語の解説>
◆CEPIとは :世界連携でワクチン開発を促進するため、2017年1月のダボス会議において発足した官民連携パートナーシップ(Coalition for Epidemic Preparedness Innovations / 感染症流行対策イノベーション連合)。日本、ノルウェー、ドイツ、英国、オーストラリア、カナダ、ベルギーに加え、ゲイツ財団、ウェルカムトラストが拠出し、世界規模の流行を生じる恐れのある感染症に対するワクチン開発を促進している。