2020年08月18日 |
東北大、連続的に構造の異なる金属ガラス作製に成功 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学 学際科学フロンティア研究所の才田淳治教授らのグループは、金属ガラスの緩和状態(構造の乱雑性)を制御する技術として、2次元傾斜急冷技術を開発し、連続的に構造の異なるガラスを作製することに成功したと発表した。 金属ガラスは優れた機械的、磁気的特性や加工成型性をもつ一方で、その変形機構に起因する室温での脆性が問題となっていた。 今回研究では、金属ガラスにおいてランダムな原子配列を試料内に連続的に2次元傾斜させて制御するという、全く新しい高度な構造制御法を開発することで、新たな材料創製と優れた特性を発現できる可能性が考えられ、本分野の学術研究に大きな知見を与えると考えられる。 本研究は科学研究費補助金基盤研究および学際科学フロンティア研究所「学際研究促進プログラム」の支援を受けて実施された。英国の科学雑誌「NPG Asia Materials」に7月31日に掲載された。 <用語の解説> ◆金属ガラス :ある種の合金を液体状態から急冷を施すと、液体のランダム構造を室温で凍結した状態が達成され、金属ガラスと呼ばれる。金属ガラスは室温では優れた強度特性を示し、またガラス加工が可能な温度域(過冷却液体温度域)では優れた精密成型性を示すことから、その応用が大いに期待されている。だが、変形が局所的な粘性流動すべりによって進行するために室温での塑性変形性(靱性)が乏しいという欠点があり、世界的にその改善のための研究が進められている。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/08/press20200818-01-glass.html |