2020年08月25日
東北大、固体燃料電池の電極特性を向上、機構発見
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学大学院の高村仁教授(工学研究科)らの研究グループは24日、酸化物表面の触媒活性を簡便かつ高速に測定する新たなパルス同位体交換法を開発し、コバルト酸化物表面ではコバルトイオンの巨大クラスター形成が酸素の吸着・解離反応を促進することを見出したと発表した。

 固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、サステイナブルな家庭用電源として注目されている。SOFCの発電特性はコバルト酸化物を含む電極材料の利用によって著しく向上するが、コバルト酸化物がなぜ優れた電極特性を示すのかの起源は不明だった。

 今回研究グループは、コバルトイオンの巨大クラスターが酸素の吸着・解離反応を促進することを確認した。また酸化物の触媒活性を簡便・高速に測定する新たなパルス同位体交換法を開発した。

同成果は、SOFCの空気側電極に新たな材料設計指針を与えるものであり、酸素吸着・解離反応が重要な空気二次電池の開発にも新たな展開が期待できる。

本成果は、英国王立化学会の学術誌「Journal of Materials Chemistry A」に掲載された。


<用語の解説>
◆固体酸化物形燃料電池とは : 電解質に固体の酸化物を用いる高温作動の燃料電池。室温作動の燃料電池と比べて発電効率が50%程度と高いことや多様性に利点を有する。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20200824_06web_SOFC.pdf