2020年08月27日
東北大、自閉症が異種疾患の集合体の可能性発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

自閉スペクトラム症(ASD)は、症状などの表現型の点からも遺伝的要因の点からも極めて多様なものであることは指摘されてきたが、東北大学 大学院医学系研究科の栗山進一教授らの研究グループは27日、人工知能の一つである機械学習の手法を活用し、自閉スペクトラム症(ASD)が異種の疾患の集合体である可能性があることを世界で初めて発見したと発表した。

ASDの主な特徴は、常同行動とコミュニケーション障害だが、ASDには音への過敏や統合運動障害など他にも多くの症状を示している。遺伝的要因では、現在1,000を超える候補遺伝子が報告されているが、ASDのリスク増加を十分に説明する遺伝的変異は特定されていない。

研究グループは今回、表現型の変数を適切に組み合わせてASD患者をグループ化(クラスタリング)すると、遺伝的感受性因子を特定するチャンスが増える可能性がある点に着目した。機械学習の手法を活用して解析した結果、ASDが異種の疾患の集合体である可能性を見つけた。クラスター分析とゲノムワイド関連解析(GWAS)の組み合わせアプローチは、ASD等の疾患に適用した初の試みとなる。

この研究成果は、Translational Psychiatry誌に8月17日オンライン掲載された。


東北大学ホームページ
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/08/press20200827-01-ASD.html