2020年09月04日 |
九大、擬二次元ペロブスカイト薄膜からレーザー発振 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:九州大学 |
九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センターの安達千波夫センター長らのチームは3日、有機・無機ハイブリッドペロブスカイトレーザーの抑制因子を解明することで、室温・空気中での安定した連続波レーザー(CW)の発振に成功したと発表した。 今回の光励起による室温・空気中のCW発振は、各種計測用光源など実用的なアプリケーション開発に道を拓くとともに、次世代フォトニクスデバイス光源として期待される電流励起レーザーへの重要なステップとなる。 研究では、擬二次元ペロブスカイト構造において、低い三重項エネルギー状態を有する有機配位子を構造内に組み込み、長寿命の三重項励起状態をハロゲン化鉛の無機層から有機層へエネルギー移動させることで、パルスおよびCW光励起レーザー発振に成功した。 これらのエネルギー散逸過程のメカニズム解明に基づき、レーザーに必要なDFB構造を適用することで、CW励起下において安定した緑色の擬二次元ペロブスカイトレーザーの開発に成功した。 CWレーザーの発振強度は、相対湿度55%の空気中において、1時間後でも顕著な発振特性の劣化は観測されず、高い安定性が明らかになった。近い将来、電気的励起によるペロブスカイトレーザーへの展開を進めていく予定だ。 同研究成果は、9月3日(日本時間)に「Nature」オンライン版に掲載される。 ニュースリリース参照 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20200903/index.html |