2020年10月02日 |
東大など、植物の自己と非自己を識別する仕組み解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学大学院農学生命科学研究科の高山誠司教授らの研究グループは2日、アブラナ科植物の自家不和合性に関わるリガンド・受容体の複合体構造を決定し、コンピューターシミュレーション技術を用いて自家不和合性の自他識別機構を解明したと発表した。 植物の多くは自己の花粉を拒絶し、非自己の花粉で受粉する自家不和合性と呼ばれる性質をもつ。だが、これらの分子がどのようにして自己と非自己を識別しているのかは不明だった。 研究グループは、アブラナ科植物の自家不和合性において、花粉拒絶反応を誘導するリガンド・受容体の立体構造とそれらの相互作用について調べた。 自他の識別を行うリガンドと受容体のアミノ酸が特定され、自己と非自己を区別するしくみが理解できるようになった。植物の自他識別のしくみをタンパク質構造レベルで初めて明らかにした成果といえる。 自家不和合性の花粉拒絶反応を人為的にオンやオフにする人工リガンドの設計が可能になる。 <用語の解説> ◆リガンド :細胞に存在する様々な受容体は多くの生体反応のスイッチとなっている。これらの受容体にはそのスイッチをオン/オフするための鍵穴があり、それぞれの受容体に特異的に結合する鍵分子がある。これらの鍵分子はリガンドと呼ばれ、受容体と結合することにより、生体反応にオン/オフの切り替えを行う。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20201001_04web_nanohana.pdf |