2020年10月07日
富士フィルム、英国に遺伝子治療薬の開発・製造施設
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:富士フイルム

富士フイルムは7日、バイオ医薬品の開発・製造受託事業をさらに拡大するため、バイオ医薬品CDMOの中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)の英国拠点に、遺伝子治療薬専用のプロセス開発および原薬製造施設を新設すると発表した。2021年春から順次稼働させ、同年秋に原薬製造の受託を開始する。

同社は、今回の設備投資を通じて、遺伝子治療分野の受託ビジネスの展開エリアを、米国市場だけでなく、欧州市場にも拡大させていく方針だ。

今回、同社は、FDBの英国拠点に細胞培養・精製のプロセス条件の実験・分析機器や、細胞培養タンクなどを導入する。米国テキサス拠点で得た遺伝子治療薬のプロセス開発ノウハウや製造技術を投入する。生産プロセス開発から、初期の臨床試験に用いる治験薬などの原薬製造までを行い、顧客の新薬開発を支援していく。さらに、現地の受託要請や顧客ニーズに応じて、大量生産に必要な原薬製造設備の増強も検討する。

米国市場では、すでに2014年から遺伝子治療薬のプロセス開発・製造受託ビジネスを開始しており、現在、さらに拡大するため、FDBの米国テキサス拠点に遺伝子治療薬専用のプロセス開発棟と製造設備を新増設中だ。2021年には遺伝子治療薬のプロセス開発から原薬製造、製剤化までをワンストップで受託できる体制を構築する予定だ。