2020年10月07日
理研、エノコログサのゲノムを高精度解読
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所 環境資源科学研究センター生産機能研究グループの榊原均グループディレクター、櫻井哲也ユニットリーダー(いずれも研究当時)らの国際共同研究グループは7日、キビ亜科に属し、C4型光合成を行うモデル植物であるエノコログサ(Setaria viridis)の高精度ゲノム解読を行い、有用形質遺伝子の同定に活用できるゲノムリソースを整備したと発表した。

同研究成果は、トウモロコシやソルガム、サトウキビなどキビ亜科植物の有用遺伝子の探索やゲノム育種による品種改良、C4作物の研究を加速すると期待できる。

今回、国際共同研究グループは、アワ(Setaria itarica)の近縁野生種であるエノコログサの参照ゲノム配列を高精度で解読するとともに、598種のエコタイプのゲノム配列を解析した。

このゲノムリソース情報を用いて、農業上重要な形質である穂からの種子の脱粒性と葉の角度を制御する遺伝子を同定することにも成功した。

同研究は、科学雑誌「Nature Biotechnology」オンライン版(日本時間10月6日)に掲載された。


<用語の解説>
◆エノコログサ :学名Setaria viridis、慣用英語名green foxtail。イネ科キビ亜科エノコログサ属の1年生草本で、春から秋にかけて広く見かける雑草。穀物のアワ(学名Setaria itarica)の原種とされる。C4型光合成を行う。