2002年03月18日
産構審部会で報告「石油化学の再編必要」04年の関税引き下げで350億円の減収
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三菱化学

 経産省は18日、産構審第2回新成長政策部会(部会長、吉川洋東大教授)を開き、「わが国産業の競争力の現状」「事業再構築の推進」を中心に意見を交わした。この中で同省は石油化学産業の将来について「再編のさらなる推進が必要だ」とし、要旨次のような報告を行った。
 
(1)石油化学について、基礎原料の代表であるエチレンの動向を見ると、需要の増加(減少)によって稼働率が上昇(低下)し、利益率が上昇(低下)する傾向が見られる。

(2)エチレン系誘導品の国内需要及び輸出の低下傾向が予想される中で、現在の生産能力を維持する限り、稼働率の低下及び利益水準の低下が予想される。

(3)2004年にかけて徐々に進められる関税引き下げの影響として、今後2年間で、関税低下により約214億円、最大で約350億円の減収が見込まれるとの試算もある。グローバルな競争を前提とした効率的な生産体制の整備が必要である。

 なお同部会のメンバーは産学代表、学識経験者22氏で構成、化学業界からは三菱化学の鈴木宗夫副社長が委員に選ばれている。毎月1回部会を開き、7月中旬に中間報告をまとめる予定。