2020年10月12日 |
東大など、ミリ波用いた新しい磁気記録方式開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学大学院の大越慎一教授(化学専攻)はこのほど、大阪大学、筑波大学、富士フイルム、日立ハイテクなどと協力して、ミリ波・テラヘルツ波を用いた新しい磁気記録方式「ミリ波磁気記録」の開発に成功したと発表した。 ビッグデータ、IoTの時代に入ったが、データアーカイブはその鍵となる基盤技術。磁気テープは、長期記録保存でき、省電力・低コストのため、クラウドや業務用データアーカイブとして活発に利用されている。 膨大な量のデータをの保存には、更なる記録密度の向上が必須となる。大越教授らは、ミリ波磁気記録の確立を目指し「集光型ミリ波アシスト磁気記録(Focused Millimeter wave-assisted Magnetic Recording, F-MIMR)」という新手法を提案した。 本研究では、そのデモンストレーションのため、将来的な磁気テープ用磁性粉かつBeyond 5G 用ミリ波吸収材として注目されているイプシロン酸化鉄の磁性フィルムを作製するとともに、テラヘルツ(THz)光源を利用した集光型ミリ波発生装置を開発した。 集光型ミリ波をイプシロン酸化鉄磁性フィルムに照射したところ、磁極方向が反転し、書込みを確認することができた。 このF-MIMRは、Beyond 5Gの光・電磁波と磁気記録を組み合わせた、Beyond 5G時代の画期的な磁気記録方式であり、磁気記録密度を著しく高めることが可能となる。 本研究成果は、日本時間10月8日に「Advanced Materials」誌のオンライン版で公開された。 ニュースリリース参照 https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2020/7050/ |