2020年10月13日 |
京大など、高活性な水素発生電極触媒を開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学 理学研究科の北川宏 教授らの研究グループは9日、新たに白金とタングステンの固溶合金ナノ粒子(白金-タングステン固溶合金)合成に成功したと発表した。また、この白金-タングステン固溶合金を用いた水の電気分解による水素発生反応(Hydrogen evolution reaction(HER))において、触媒活性の世界最高レベルの高性能化を達成した。 HERは白金原子上におけるプロトン(水素イオン)の還元反応と、それに続く吸着水素原子間の結合反応によって、水から水素ガスを発生する反応であり、化石燃料に代わるクリーン燃料の水素の製造方法として極めて重要な技術。HERにおいて、白金は最も高活性な元素だが、白金の地殻存在量は極めて低くかつ高価だ。このため、白金を用いた触媒には更なる効率化が求められている。 今回開発した白金-タングステンの新規な固溶合金は、10 mA/cm2(ミリアンペア/平方センチ)の電流密度に必要な過電圧が、従来の白金単体の触媒と比較して7割程度でよく、高効率な水素発生触媒であることが明らかとなった。さらに、単位白金質量当たりの水素発生効率が白金よりも3.6倍高く、性能が劇的に向上することを確認した。 同研究成果は、9月30日に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載された。 |