2020年10月14日
産総研、人工知能で体外設置型人工心臓を最適設計
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所 安全科学研究部門 社会とLCA研究グループの河尻耕太郎 主任研究員、同人工臓器研究グループの小阪亮 主任研究員らは13日、複数の人工知能(AI)の手法を組み合わせて、少ない数値シミュレーションの解析データで人工心臓のデザインを最適化したと発表した。

従来の実験計画法の枠組みに、ニューラルネットワークと多目的遺伝的アルゴリズムを組み合わせた、新たな実験計画法を用いた。

今回の人工心臓の4つの入力条件(▽溝本数: 3-18本、16通り ▽溝角度: 10-180度、18通り ▽溝入口深さ: 0.05-0.25 mm、5通り ▽溝出口深さ: 0.05-0.25 mm、5通り )を組み合わせると7,200通りにもなり、それら全ての組み合わせに対して実験、あるいは数値シミュレーションを実施することは難しい。

今回用いた実験計画法により、約60回の解析結果を基に、体外設置型動圧浮上遠心血液ポンプの動圧軸受の発生力と赤血球損傷係数を最適化した。

この手法は、多数の入力条件と目的変数をもつ複雑システムを、少ないデータを基に簡単に最適化でき、今後製品設計、製造プロセスなど、広い分野の研究開発効率向上への貢献が期待できる。

同手法の詳細は、5月23日に日本品質管理学会第122回研究発表会にて発表した。


ニュースリリース参照
https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2020/nr20201013/nr20201013.html