2020年10月19日

名大、1000億分の1メートルが物質を劇的に変化

【カテゴリー】：ファインケミカル 【関連企業・団体】：名古屋大学

名古屋大学大学院 理学研究科の佐藤 憲昭教授らの研究グループは19日、理化学研究所、関西学院大学などとの共同研究により、物質中の正20面体原子集団（クラスター）のサイズを、僅か1000億分の1メートル変えただけで、レアアースの持つ性質が大きく変わることを発見したと発表した。 研究グループは、「準結晶」と呼ばれる不思議な固体を合成し、それを構成するイッテルビウム原子（レアアースの一種）の持つ性質を、大型放射光施設（SPring-8）の高輝度エックス線を利用することにより、高精度で直接的に観測することに成功した。 その結果、正多面体クラスターの大きさが僅か1000億分の1メートル（1ナノメートルの更に100分の1）変わるだけで、イッテルビウム原子の価数状態が約20％変化するとともに、磁気的な性質が30倍も変化することを発見した。 本研究で明らかにした正多面体クラスターの持つ新しい性質は、新素材開発の技術（ナノテクノロジー）を支える、基礎物理学的に重要な知見であるといえる。 名古屋大学 ホームページ http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20201019_sci1.pdf