2020年10月21日
東北大、新型コロナウイルス進化 解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

新型コロナウイルスには変異型の存在が知られているが、その特徴などは不明だった。

東北大学加齢医学研究所の 西井慧美助教(生体防御学分野)らは21日、新型コロナウイルスのゲノム7804種類を解析し、新型コロナウイルスの遺伝子変異は、ウラシル(U)への点変異が突出して多いことを発見したと発表した。武漢型のゲノムをもとに解析した

この変異には塩基配列に特徴があり、ヒト由来のRNA編集酵素によるものと考えられる。日本型を含む4種類の変異型新型コロナウイルスゲノムから変異部分を人工合成したRNAを用いて、ヒトマクロファージ細胞株に疑似感染させたところ、自然免疫を担う炎症性サイトカインの産生が増強した。

新型コロナウイルスは、ウイルスを排除しようとする生体防御機構を利用して変異を続けていると考えられる。

変異の可視化の実現によりウイルスの重症化分類が可能となると考えられる。

同研究成果は、10月20日「Scientific Reports」(電子版)に掲載された。


東北大学:ホームページ
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/10/press20201021-01-rna.html