2002年03月18日
内分泌かく乱作用問題」のPC募集に多数が応募
経産省、回答を加えて4月に有害性評価書を作成
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

 経済産業省製造産業局は18日、「化学物質審議会管理部会・審査部会」の下部組織である「内分泌かく乱作用検討小委員会」の平成13年度第3回会合を開催し、同局が先に実施した内分泌かく乱作用問題に関するパブリックコメント(PC)の募集に対する応募の内容を報告した。
 
 今回同局が実施したPCの募集は、98年に環境庁が内分泌かく乱作用を有する疑いがあるとしてリストアップした合計67の化学物質のうちの15物質を対象に同小委員会が進めてきた有害性評価の結果について広く一般から意見を求めたもの。有害性の評価対象を15物質に絞ったのは、わが国での生産・使用の実態がないものや農薬登録やダイオキシン対策などの政策が取られているものを除外したから。
 この日の報告によると、2月22日から3月15日までの間に寄せられた意見の件数は26件で、項目数は延べ114項目であった。寄せられた意見と質問は、文献やデータのレビューおよび引用基準に関するものと、評価物質の選定理由についてのものに大別できるという。
 個別物質に関する意見の項目数では、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルに対するものが26項目と最も多く、ビスフェノールAの22項目、スチレンダイマー・トリマーの12項目、フタル酸ジ-n-ブチルの11項目などがそれに続いている。意見・質問の中では(1)内分泌かく乱作用と生殖毒性との関係(2)低用量作用問題(3)関連試験の要否の判断基準(4)リスク評価とリスク管理のあり方--等についてのものが多数を占めているという。
 同局では、向こう1週間でこうしたPCに対する回答案を取りまとめて同小委員会に諮り、コンセンサスが得られればその内容と現在実施している関連試験の結果を加えて正式の「個別物質有害性評価書」に仕上げることにしている。4月中に実現したい意向。また同局では、同報告書を英訳してOECD事務局にも提出し、加盟各国から意見を聴取することも計画している。