2020年10月28日 |
東北大、下水中のウイルス消毒不活性化率予測 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学 環境科学研究科の佐野大輔准教授らの研究チームは27日、下水処理水の消毒によるウイルス不活化効率予測モデルを、スパースモデリングおよびベイズ推定の手法を用いて構築したと発表した。 ウイルス感染者の糞便に含まれるウイルスは、トイレから下水管を介して下水処理場へ流入する。下水処理場で生物処理が施される消毒処理は水中ウイルスの不活化に対しても有効とされているが、消毒強度が不十分な場合は放流水からの感染リスクが許容レベルを超過する可能性がある。 世界保健機関(WHO)が推奨する衛生安全計画では、許容感染リスクをもとに消毒処理に割り当てられる目標不活化効率(LRV)を達成可能な消毒強度を特定した上で、常時モニタリングすることが求められる。そのためには、ウイルスごとに目標LRVの達成に必要な消毒条件を逆算できるツールの開発が必要だった。 研究チームは今回、統計処理手法を適用して、複数のウイルスに関するLRV予測モデルを構築した。 この手法は、未処理下水中から遺伝子が検出されている新型コロナウイルスに対しても適用できる。 通常の下水処理で十分に除去されている新型コロナウイルスに関しても、消毒データを蓄積することでモデル構築が可能となり、日常的な管理ができるようになる。 同研究は10月21日付「Environmental Science: Water Research & Technology」(英国・王立化学会)で公開された。 東北大学:ホームページ https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20201027_01web_virus.pdf |