2020年10月30日

産総研、より安全にゲノム編集できる技術 開発

【カテゴリー】：ファインケミカル 【関連企業・団体】：産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は30日、分子複合生理やバイオメディカル、構造創薬などの研究グループが共同で、ゲノム編集酵素Cas9に強固に結合し、酵素活性をコントロールする核酸分子（核酸アプタマー）を開発したと発表した。 ゲノム編集酵素の活性を細胞内でコントロールする技術を開発した。　 　また、この核酸アプタマーを細胞内に導入することにより、ゲノム編集酵素の活性をコントロールして、これまで問題となっていた偶発的なゲノム編集（オフターゲット）を抑制し、より正確にゲノム編集ができることを実証した。 　この技術は、分子生物学研究、遺伝子治療、品種改良など、ゲノム編集技術が利用されるさまざまな分野への貢献が期待される。 　 　同研究成果は、10月30日に「Nucleic Acids Research」誌（電子版、オープンアクセス）に掲載される。 ＜用語の解説＞ ◆Cas9　： Cas9ゲノム編集酵素。crRNA(sgRNA)をガイド鎖として、ゲノム配列中のcrRNAの配列に対応するターゲット配列を切断する。この酵素の発見により、ゲノム配列の改変が可能となった。 産総研ホームページ　： https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20201030/pr20201030.html