2020年11月05日 |
九大発VB、次世代有機ELを高効率・長寿命化 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:九州大学 |
JST(科学技術振興機構)は4日、研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)で取り組んできた「高効率・高純度発色を実現する有機EL発光材料」の開発について、目指していた成果が得られたと発表した。 研究は、有機ELを開発する九州大学発ベンチャー、Kyulux(キューラックス、福岡市・安達淳治社長)に委託して行っていた。 Kyuluxは2015年設立の開発型スタートアップ企業。量子化学計算と機械学習を組み合わせたマテリアルズ・インフォマティクスを用い、独自の有機EL「Hyperfluorescence(ハイパーフルオレッセンス)」による発光技術の高効率化と長寿命化に成功した。 材料設計では、用いる新規TADF(熱活性化遅延蛍光)材料の選別にマテリアルズ・インフォマティクスを使い、研究者の知識と量子化学計算を組み合わせる従来の材料開発手法に比べ、10倍以上のスピードで有望な材料を見いだした。 さらに、電荷のバランスの観点から発光層を最適化し、フルカラー表示に必要な、赤・緑・青全ての色で目標の寿命を達成した。とくに赤色では目標の4倍の寿命を達成し、長寿命化が最も難しいといわれる青色でも、開発期間中に目標を達成し、プログラム開始時と比べて100倍以上の寿命を実現した。 高効率、長寿命を実現する次世代有機ELの有力技術になると期待される。 JST:ホームページ https://www.jst.go.jp/pr/announce/20201104/pdf/20201104.pdf |