2002年03月18日
日本ポリケム、川崎のHDPE設備の一部を停止へ
年産20万トン体制を15万5,000トンに縮小
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:日本ポリケム

 日本ポリケムは18日、ポリエチレン事業部門の体質強化策の一環として今年8月をもって川崎工場内の高密度ポリエチレン(HDPE)設備の一部の操業を停止することにしたと発表した。現在同工場内では2系列(合計年産9万5,000トン能力)の設備が稼動中だが、このうちの1系列(4万5,000トン能力)を停止する。

 最近のポリエチレン事業を取り巻く環境は、内需の落ち込み、輸出の減少、製品輸入の増加--等によって一段と厳しさを増している。しかも、2004年に向けての輸入関税率の逓減が確定していることもあって、需要が今後大幅に拡大することは期待できなくなっている。
 日本ポリケムは、こうした中で一層激しさを増す国際生存競争を生き抜いていくには思い切ったコストダウンが不可欠と判断、その実行手段の一つとして今回の措置を実施することにしたもの。
 現在同社は、川崎、水島、鹿島の3工場でHDPEを製造しており、生産能力は5系列トータルで年20万トンとなっている。このうちの1系列を停止することで、生産能力の最適化と要員や資産の効率化などを実現したい考え。
 同社は、先に明らかにした四日市工場のポリプロピレン設備の停止も含めた最適生産体制の確立と物流の効率向上などあらゆる手段を講じることによって今後も引き続きコストの削減を図り、国際競争力を強化していくと説明している。