2020年11月18日 |
長岡高専など「環状ペプチドの結晶構造」解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
長岡工業高等専門学校の和久井直樹助教をはじめ、東京大学、東京工業大学、理化学研究所などの共同研究グループは18日、環状ペプチド医薬品であるダルババンシンと血漿タンパク質であるヒト血清アルブミンの複合体結晶構造を解明したと発表した。 低分子医薬品、抗体医薬品につぐ第3の医薬品として、環状ペプチド医薬品が注目されている。しかし、環状ペプチド医薬品は腎排泄などの影響から投与後の体内安定性が低いことが問題とされている。 環状ペプチド医薬品の体内安定性を向上させるためには、血漿タンパク質であるヒト血清アルブミンとの結合が非常に重要になる。だが、これまでに環状ペプチドとヒト血清アルブミンの複合体構造は報告されておらず、環状ペプチドがどのようにヒト血清アルブミンに結合しているかは未解明だった。 研究グループは今回、大型放射光施設「SPring-8」のビームラインを用いたX線結晶構造解析などにより、ダルババンシンのヒト血清アルブミンに対する結合様式を明らかにした。 今後、環状ペプチド創薬の加速が期待される。 同研究成果は、11月13日公開の「Journal of Medicinal Chemistry」誌に掲載された。 |