2020年12月04日
中部大など3大学、1億年前のホタルの光再現
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

 中部大学、長浜バイオ大学、鹿児島大学の3大学は3日、計算科学と分子生物学的手法を用いて、ホタルが地球上に現れた約1億年前(白亜紀)の発光の再現に成功したと発表した。

 1億年前のホタルが持っていた発光酵素ルシフェラーゼを、計算科学と遺伝子工学によって推定復元させた。
復元したルシフェラーゼを、発光物質ルシフェリンと反応させたところ、現在見られるゲンジボタルやヘイケボタルの黄緑色の発光とは異なる、深い緑色の発光が再現された。

 深い緑色の発光には、外敵に対する防御のための効果があったと考えられる。
 
 この研究成果は、失われた過去の光景の一部を現実によみがえらせた、世界最初の報告となる。

 ホタルの仲間(ホタル科)は、世界に約2000 種が知られており、その発光の色も緑色から黄緑色、黄色、オレンジ色と、種によってさまざまだが、約1億年前に地球上に現れたときにはすでに発光能力を持っていたと考えられる。

 ただ、化石記録などからは、当時どのような発光色で発光していたのかは不明だった。

 今回の成果は12月3日、米国科学振興協会(AAAS)が発行する国際科学誌「Science Advances」電子版に掲載される。


ニュースリリース参照
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20201203/pdf/20201203.pdf