2020年12月17日 |
デンカの米クロロプレン工場「健康影響なし」 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:デンカ |
デンカは17日、米国子会社のデンカ・パフォーマンス・エラストマー社(DPE)が今年2月、クロロプレンモノマーの環境への影響をめぐり米国ルイジアナ州で、工場周辺に住む複数の住民から、身体的被害を受けたとして訴訟提起を受けた問題について、このほど米国の産業医学専門科学誌「Journal of Occupational and Environmental Medicine」から最新の疫学的研究結果が発表され、その中で「クロロプレンモノマーを扱う作業員7000名を対象に調査した結果、肺がんおよび肝臓がんによる死亡率は、クロロプレンモノマーと関連がない」と結論づけられたと発表した。 この調査は、DPE ポンチャートレイン工場(米国ルイジアナ州)から1,300 人超、他社工場(米国ケンタッキー州)から約5,500人など、約7,000 名を対象に行われたもので、その結果、全米平均および地元郡平均と比較して全死亡およびがんによる死亡ともに低い死亡率であることが確認された。 同研究は、国際合成ゴム生産者協会(International Institute of Synthetic Rubber Producers)の資金提供のもと、ピッツバーグ大学の研究者により実施された。2000 年末までのデータを元に2007年に得られた同様の調査結果を追跡調査した。研究陣は今回、さらに2017年までの17年分の作業員の健康調査データを追加したことで、死亡率のパターンに関する情報がより信頼できるものになったとした。 なお、ルイジアナ州腫瘍統計局の調査でも、DPE ポンチャートレイン工場のある地域の発がん率は、同州全体の発がん率に比べ大きな差異は見られなかったと公表されている。 米国クロロプレンモノマー製造従事者に関する最新の疫学的研究結果について https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1608178981.pdf |