2020年12月24日 |
理研など、植物ミトコンドリアの品質管理経路発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
理化学研究所 分子生命制御研究チームの泉正範上級研究員、東北大学大学院の日出間純准教授、、自然科学研究機構の根本知己教授らの共同研究グループは23日、細胞内自己分解システムである「オートファジー」が植物ミトコンドリアの品質管理を担うことを発見したと発表した。 今後、過酷な自然環境や地球外環境での植物栽培に向けたストレス耐性植物の設計に役立つと期待できる。 これまで、太陽光を利用して生きる植物が常にさらされている紫外線障害の耐性に、オートファジーが関わることは明らかにされていた。だが、オートファジーが紫外線耐性をどのように支えているかの全容は未解明だった。 今回、共同研究グループは、モデル植物のシロイヌナズナを用いて、紫外線耐性におけるオートファジーの役割を詳細に解析した。 最新の細胞内イメージング解析などにより、葉において紫外線障害で機能不全となったミトコンドリアが、オートファジーによるミトコンドリア分解(マイトファジー)で除去されることを明らかにした。 同研究は、科学雑誌「Plant and Cell Physiology」で、特に重要な成果を発表するrapid paperとしての掲載に先立ち、オンライン版(12月23日付)に掲載される。 <用語の解説> ◆オートファジー、オートファゴソーム :オートファジーは植物、動物、酵母など、真核生物に広く保存されるタンパク質などの細胞内成分の分解システム。「自食作用」とも呼ばれる。細胞質の一部や細胞内小器官をオートファゴソームと呼ばれる二重膜小胞で取り囲み、細胞内で高い分解活性を持つ酸性の小器官である液胞に運ぶことで、分解・消化する仕組み。 |