2021年01月12日
東北大、自分の行為への気づきが運動能力向上
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

運動能力の改善を目的とした「自己身体の気づき」(自分の身体感覚)の人工的操作に関する研究が世界各国で活発化しているが、東北大学大学院の松宮一道教授(情報科学研究科)は12日、バーチャルリアリティ技術を用いて、見ている手に対して「身体所有感」はあるが「運動主体感」がない状態や、その逆の状態を人工的に創り出す手法を開発し、「運動主体感」だけが運動能力の向上に関わることを世界で初めて明らかにした。

これまで「身体所有感」と「運動主体感」の両方が運動能力の向上に関わっているとされてきたが、自分の手などの動いている身体部位を見ると「身体所有感」と「運動主体感」を同時に感じてしまうことから、二つの気づきを実験的に分離することは難しく、両方の気づきが運動能力に影響を与えることを実証した研究はなかった。

今回の発見は、運動主体感の人工的操作が運動能力の改善に有効であることを示している。

同成果は、運動機能障害のリハビリテーションや身体能力開発などにおいて、身体感覚の操作手法における新たな道を開くと期待される。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210108_03web_body.pdf