2021年01月13日 |
東北大、肺がん治療薬イレッサの副作用を解析 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
肺がん治療薬として2002年7月に承認されたイレッサは、副作用の少ない分子標的治療薬として期待されたが、承認直後から急性肺障害や間質性肺炎などの致死性副作用が問題となっていた。 だが、イレッサが肺障害を引き起こすメカニズムは不明のままだった。 東北大学大学院 薬学研究科の松沢厚教授らの研究グループは13日、イレッサが肺障害を引き起こすメカニズムを解明したと発表した。肺がん治療薬イレッサが炎症を惹起する仕組みを明らかにした。 イレッサは免疫応答を担うマクロファージに作用し、細胞内にあるNLRP3インフラマソームという分子複合体を活性化することで炎症を誘導し、インターロイキン-1βの分泌を促すことが明らかになった。 さらには、インターロイキン-1βの分泌を増強するHMGB1という起炎物質の分泌も促す。 同研究は、インターロイキン-1βがイレッサの致死性副作用に深く関わることを示す新知見であり、イレッサによる致死性副作用の克服につながることが期待される。 同研究の成果は、1月6日に英国科学雑誌「 Cell Death and Disease 」に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210113_02_gefitinib.pdf |