2021年01月14日 |
東大など、固体中の電子の軌道を曲げる新機構 発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
伝導電子と磁性との相互作用の結果、電流と垂直方向に電圧が生じる現象は「異常ホール効果」と呼ばれ、注目されているが、東京大学、東北大学、理化学研究所などの研究グループは13日、カイラル磁性体MnGe(Mn:マンガン、Ge:ゲルマニウム)の薄膜で、電子散乱機構に基づく巨大な異常ホール効果を発見したと発表した。 従来の機構では説明できない巨大な異常ホール効果を観測した。 研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(CREST)などの支援で行われた。 この結果を、従来の電子散乱機構によって説明することはできず、熱励起された非共面的なスピン集団が電子を散乱するという、全く新しい機構で理解できる可能性を示した。 特に、異常ホール効果の詳しい温度・磁場依存性や、膜厚制御による磁気異方性に対する変化を調べることで、これらの妥当性を実証した。 今回成果により、電子散乱に起因した巨大異常ホール効果の観測が、今後より多くの物質で期待できる。また一般に、ホール電流はエネルギー損失を伴わないため、省エネルギーデバイスのjつ源に向けた、新たな設計指針につながると考えられる。 同研究成果は、1月12日付で国際科学誌「Nature Communications」にオンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20210113/pdf/20210113.pdf |