2021年01月15日
産総研、低温でCO2からメタノール合成 新触媒開発
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所 ゼロエミッション国際共同研究センターの姫田雄一郎 首席研究員らは、新規に設計した複核錯体触媒を開発し、低温低圧の温和な条件で二酸化炭素の水素化により高い選択性でメタノールを合成したと発表した。

今回開発した触媒は、イリジウム2個を含むイリジウム触媒で、この触媒により30℃でも二酸化炭素の水素化反応が進行し、選択的なメタノール合成が可能になった。

メタノール合成の障害要因を回避するために、これまでに(産総研で)行ってきた二酸化炭素の水素化触媒の開発研究の知見をもとにした触媒設計と反応場の選択により、既存の固体触媒に比べて極めて温和な条件で二酸化炭素をメタノールへと変換できることを見いだした。

これらの成果から得られた知見によって、二酸化炭素の水素化によるメタノール合成の低温化のための触媒開発への貢献が期待できる。

同研究成果は、米国化学会の「Journal of the American Chemical Society」誌に2021年1月13日にオンライン掲載された。


<用語の解説>
◆錯体触媒錯体触媒とは :、反応活性点となる金属とそれを取り囲む有機配位子からなる化合物(錯体)で触媒機能を有するもの。単核錯体触媒は反応活性点となる金属が1個のものであり、複核錯体触媒は2個以上の金属を有するものをいう。


産業技術総合研究所:HP参照
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2021/pr20210114/pr20210114.html