2021年02月08日
住友化学、大阪工場の半導体フォトレジスト増強
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:住友化学

住友化学は8日、液浸ArF(フッ化アルゴン)、EUV(極端紫外線)などの最先端プロセス向けに半導体フォトレジストの需要が好調なため、大阪工場(大阪市此花区)の製造ラインを増強すると発表した。新製造ラインは2022年度上期に稼働開始の予定。

フォトレジストは、半導体製造工程におけるパターン形成に使用される感光性樹脂で、同社は大阪工場を中心に製造・研究・販売展開してきた。微細化工程で使用される液浸ArF露光用レジストでは、世界的に高いシェアを有しており、新たな光源であるEUV露光用レジストでも、顧客の量産化スケジュールに応じて、着実に市場拡大を図ってきた。

同社は19年度、先端フォトレジストプラント新設に加え、開発効率の向上や品質保証体制強化のためのクリーンルームの新棟建設、新規評価装置の導入計画を決めた。直近3年間の投資額は100億円を超え、経済産業省の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の対象事業にも採択された。

半導体デバイス市場は、5Gスマートフォン需要の増加に加え、在宅勤務などライフスタイルの変化に伴い、パソコンやデータセンター関連機器の需要増加を背景に伸長を続けている。液浸ArFをはじめとする先端フォトレジストの需要は今後も年率6%の拡大が見込まれている。

そのため同社は今回、19年度に設置した先端フォトレジストプラントに新たな製造ラインを増設し、生産能力を約4倍に引き上げる決定をした。22~24年度の次期中経計画ではさらに飛躍的な事業拡大を目指す。

<ニュースリリース参照>
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1612763123.pdf