2021年02月17日
京大、超高効率 水電解ナノシート合金触媒 開発
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 京都大学 大学院の北川 宏 教授(理学研究科)らの研究グループは17日、高活性かつ高耐久性を有する水電解触媒の開発に成功したと発表した。

 水電解技術は電力エネルギーによって水を分解し水素を製造するプロセス。特に欧米では、再生可能エネルギーを利用して水素を製造し、CO2排出量ゼロ実現に貢献する技術として期待されている。
 
 北川教授らの研究グループは、酸性溶液中で水の完全分解を高活性に長時間促進する、ルテニウム-イリジウム(Ru-Ir)合金電極触媒の開発に成功した。
 
 この触媒は、特徴的な珊瑚形状をしたナノ構造体で、3nm程度のRu-Ir合金ナノシートの集合体。
 水電解はカソードでの水素発生反応(HER)と、アノードでの酸素発生反応(OER)の2つの半反応で構成される。
 ともに広く研究されてきたが、Ruは高いOER活性を有するものの、酸性溶液中では急激に触媒活性が悪くなることが問題だった。
 
 今回研究グループが開発した珊瑚形状をしたRu-Irナノ合金は、HER、OER両反応に対して非常に高い活性を有する。さらに極めて高い耐久性を示し、従来のPtとIrO2(酸化イリジウム)を使用した場合に比べ、低コストかつ高性能な水電解を実現することに成功した。

 同成果は、2月17日(英国時間)に国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載される。


京都大学ホームページ :
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20210217/pdf/20210217.pdf