2021年02月26日
東洋紡、環境配慮型の水処理システム 共同開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東洋紡

東洋紡は26日、海水淡水化プラント向けに、中空糸型正浸透膜(Forward Osmosis:FO 膜)を搭載した環境配慮型の水処理システムをアブダビの海水淡水化分野のコンサルタント会社、SWPC 社と共同開発したと発表した。今後、実証実験を重ね、早期実用化を目指す。

雨水や地下水に乏しい中東地域では、海水から淡水を作り出す海水淡水化プラントが多く稼働している。
同社は、1970年代から紡糸技術を応用して、一定の大きさ以上の分子やイオンを通さない中空糸型半透膜を開発し、海水を淡水に変える逆浸透膜(Reverse Osmosis = RO 膜)として事業展開してきた。

現在、東洋紡グループはこの膜によって、一日あたり約160 万トン、約640 万人分の真水を作り出しているが、今回共同開発したのは、FO 膜モジュールを搭載し、濃縮海水を効率よく利用することで、排水量の削減だけでなく、システム内で発生するエネルギーも再利用する、次世代型の水処理システム。

既存の海水淡水化プラントにも容易に追加設置できる。既存のプロセスに組み込むことで、環境に配慮した省エネ型の水処理システムが実現できる。