2021年03月10日
東北大、世界初・硫化スズ太陽電池を高効率化
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東北大学

硫化スズ太陽電池は希少金属や有害元素を一切含まないため、クリーンエネルギーの普及を担う次世代ソーラーパネルへの実装が期待されている。

東北大学多元物質科学研究所の川西咲子助教らの研究グループは9日、pnホモ接合の硫化スズ太陽電池を世界に先駆けて作製し、高い開放電圧の取り出しに成功したと発表した。

硫化スズ太陽電池を高効率化するポイントは、p型とn型の硫化スズを組み合わせたpnホモ接合の作製にある。
だが、容易に作製可能なp型と異なり、n型硫化スズは作製はが困難なため、pnホモ接合太陽電池の作製例はこれまでになかった。

研究グループは、2020年8月に大型化に成功したn型硫化スズ単結晶を用いることで、pnホモ接合からなる硫化スズ太陽電池の作製を実現し、pnヘテロ接合の硫化スズ太陽電池のチャンピオンデータに匹敵する360mVの高い開放電圧の取り出しに成功した。

これは、pnホモ接合の硫化スズ太陽電池の高い性能を実証するもので、今後の研究でさらなる変換効率の向上が期待できる。

同研究成果は、2月25日に「Soral RRL」誌に掲載された。


<用語の解説>
◆ pnホモ接合: 同一の半導体材料のp型層とn型層との接合。この接合領域に太陽光等の大きなエネルギーの光が照射されると、光電効果により発電する。異種の半導体材料のpn接合のことを、pnヘテロ接合と言う。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press20210309_04web_solar.pdf