2021年03月11日
京大、金属ナノ粒子で光触媒の効率的還元に成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学 工学研究科の田中庸裕教授、信州大学 先鋭材料研究所の堂免一成特別特任教授らの研究グループは11日、光触媒の活性サイトをうまく分離することによって二酸化炭素の光還元を効率的に進行させることに成功したと発表した。

 水(H2O)を電子源とする二酸化炭素(CO2)の光還元は、植物が行う光合成を模倣したCO2再資源化システムであり、いわゆる人工光合成の一つとして知られている。
 
 Al(アルミニウム)をドープしたSrTiO3(Al-SrTiO3)は異なる結晶面を持つ光触媒であるため、効率的な電荷分離が進行することが知られている。しかし、CO2の光還元にはほとんど活性を示さなかった。
 
 研究グループは今回、異なる結晶面に異なる金属ナノ粒子を修飾することによって、効率的にH2Oを電子源とするCO2の光還元が進行することを見いだした。人工光合成でCO2の再資源化に新展開が期待できる。

 同研究成果は、2月24日に、国際学術誌「Chemical Science」のオンライン版に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2021-03/210224_teramura-b129358d37837e107548dbbe170c7446.pdf