2021年03月22日 |
理研、X線作用を1000兆分の1秒単位で可視化 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所、筑波大学、高輝度光科学研究センターの共同研究グループは20日、X線領域における自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」を用いて、高強度X線を物質に照射した際に起こる融解過程を、フェムト秒(1000兆分の1秒)オーダーの高い時間分解能で可視化することに成功したと発表した。 同研究成果は、非線形光学現象の観測やタンパク質微結晶の構造解析など、高強度XFELを利用する研究のデザインやデータ解析などに貢献すると期待できる。 今回、研究グループは、SACLAから時間差を制御した二つのXFELビームを出射して、ダイヤモンドに高強度X線を照射した際に起こる固体から液体への融解過程を測定した。 その結果、この過程が熱エネルギーの増加によって引き起こされる通常の融解ではなく、原子間ポテンシャルの変化によって生じる特殊な融解(非熱的な融解)であることを明らかにした。 本研究は、科学雑誌「Physical Review Letters」オンライン版(3月20日)に掲載される。 <用語の解説> ◆非線形光学現象 : 物質の光への応答が、光の波の振幅に比例しない光学現象のこと。このような現象は線形応答に比べて極めて弱いため、通常その観測には強力なレーザー光が必要とされる。 ニュースリリース参照 https://www.riken.jp/press/2021/20210320_1/index.html |