2021年03月23日 |
理研、極低温での新量子相“混合バブル”予言 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所の国際共同研究チームは23日、「量子気体」と呼ばれる極低温(ー273.15℃あたり)に冷却された気体に、新しい物理的現象である“混合バブル”が生じることを「理論的に予言」したと発表した。 これは、これまでの常識を覆す発見であり、今後の実験で実際に混合バブルが発見されれば、量子力学の効果が強く働く物質における混合様式を理解できるようになると期待できる。 これまで、2種類の量子気体の混合系には、アルコールと水のように均等に混合する「混和性」か、水と油のように完全に分離する「非混和性」が存在すると考えられていた。 2種類の量子気体を混合すると、常温の気体では起こらない特異な現象が見られることは知られている。 例えば、引力が働く2種類の量子気体を混合することでできる「量子的な液滴」が最近観測された。 量子的液滴は「量子ゆらぎ」の効果により、液滴に対応する特定の密度によって気体が安定化されるために生じると考えられている。 今回、共同研究チームは、「量子ゆらぎ」の効果を理論計算に取り込んだ結果、量子気体が部分的に混合する新たな量子相である「部分混和性」を発見し、それを混合バブルと呼ぶことにした。混合バブル中では、斥力で反発し合う2種類の粒子が束縛された状態にある。 同研究は、科学雑誌「Physical Review Letters」(3月18日付)に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.riken.jp/press/2021/20210322_1/index.html |