2021年04月05日 |
阪大、電子回路の防水コーティング技術開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:大阪大学 |
大阪大学 産業科学研究所の能木雅也教授らの研究グループは、木材由来のナノ繊維を電子回路にコーティングするだけで、水濡れ故障を長時間抑制できることを発見したと発表した。 電子デバイスにとって水は天敵であり、これまで防水コーティングやパッキングなどの封止技術が開発されてきた。しかし、どんな封止も一度損傷してしまえば水の侵入を防ぐことはできず、故障は免れなかった。 今回、研究グループは電子回路上に木材由来のナノ繊維をコーティングすることで、回路の短絡および発熱・発火などの事故が防止できることを発見した。さらにコーティングが損傷した状態からでも抑止効果は発揮され、24時間以上継続する。 同成果は、吸水によるナノ繊維の再分散、電気泳動、ゲル化という3ステップを組み合わせて実現した。近年開発・普及が進んでいるウェアラブル・ヘルスケアデバイスなど、重大事故が許されない用途でさらなる安全性向上が期待できる。 電子回路上にナノ繊維が含まれたコーティング液を塗って乾かすという簡便な手順で、コーティングが損傷した状態でも機能する回路保護膜が実現できる点がポイント。 同成果は、4月1日(日本時間)に米国科学誌「ACS Applied Nanomaterials」にオンライン掲載された。 <用語の説明> ◆木材由来のナノ繊維 : 木材から取り出すことが可能な非常に細い繊維で、太さは3 ~15 nm と髪の毛の1000 分の1以下。 セルロースナノファイバーとも呼ばれる。 軽量、高強度、高耐熱、高透明かつ持続可能な新材料として注目を集めている。 ニュースリリース参照 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20210401/pdf/20210401.pdf |