2021年04月06日 |
京大、パーキンソン病に抗てんかん薬 有効を確認 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学大学院 医学研究科の高橋良輔教授らの研究グループは6日、αシヌクレインフィブリルを投与した培養細胞とマウスを用いた実験により、抗てんかん薬の一種である「ペランパネル」が、パーキンソン病であるαシヌクレインの伝播を抑制することを発見したと発表した。 パーキンソン病はドパミン神経が進行性の変性を起こす難病で、わが国には20万人近い患者がいる。治療法としてはドパミンを補充するなどの対症療法はあるが、病状は徐々に進行していくため、病状の進行自体を遅らせる治療法の開発が急務となっている。 パーキンソン病の原因は、αシヌクレインという蛋白質が神経細胞に蓄積し、凝集することと考えられている。最近、この異常に凝集したαシヌクレインが神経細胞同士の間を伝播することで、脳に広く病変を形成し、病状を進行させるという現象が注目されている。 ペランパネルは、すでに臨床で使用されているため、パーキンソン病の病状進行を抑える薬としても迅速な応用が期待される。 同研究成果は、4月5日に、国際学術誌「Movement Disorders」のオンライン版に掲載された。 <用語の解説> ■αシヌクレイン : 主に神経細胞に存在し、シナプス機能制御や神経可塑性に関与するタンパク質。パーキンソン病 PD)では異常なαシヌクレインが神経細胞に蓄積し、その凝集体はレヴィ小体を形成し、神経細胞毒性を持つと考えられている。 ニュースリリース参照 https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2021-04/210405_ueda-315cbec319ccd39384e815111187feb9.pdf |