2021年04月09日
京大、原発性胆汁性胆管炎の新たな遺伝要因同定
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学の長﨑正朗 学際融合教育研究推進センター特定教授らの研究グループは9日、長崎大学の中村実教授らが臨床研究を進めている、世界規模の原発性胆汁性胆管炎(PBC)(合計1,953人)の日本人遺伝子データベースと日本人の一般集団の全ゲノムデータベース(合計3,690人)との比較を行ったところ、新たな遺伝要因が同定されたと発表した。ヒト全ゲノム領域へのRHM法による世界初の成果としている

 日本人では今まで報告がない3箇所の新規領域を含む、合計7箇所の染色体上の疾患に関わる候補領域を、ほとんどヒトゲノム情報に適用されたことのない領域内遺伝率推定法( RHM)によるゲノム解析によって同定した。

 また、再現性を確認するため、3か所の新規染色体対象領域に含まれるSNP(一塩基多型)のうち、統計量が一番有意であったSNPについて、前述の集団とは独立したPBC患者(合計220人)と、上田真由美 京都府立医科大学特任准教授から提供された一般集団の全ゲノム情報(合計271人)との間で遺伝型の頻度に有意差があるか解析を行った。その結果、日本人では今まで報告がない3箇所の遺伝子領域いずれについても疾患に関係することが再確認できた。


京都大学ホームページ:
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2021-04-09-0