2002年03月15日
住友化学、今月からLPGも石化原料に採用
ナフサの高騰に対応、スポットで輸入
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:住友化学、三井化学

 住友化学工業は今月から千葉工場でLPGを石油化学原料の一部として使用し始めた。同社のLPGの採用は、昨年夏場にLPGの国際スポット価格が例年の季節変動パターンに沿って軟化したとき以来のこと。
 
 同社が例年と異なるこの時期にLPGの使用を再開したのは、ナフサが急騰する中でLPGのスポット相場が世界的な暖冬による需給の緩みを反映して下降線をたどってきたため。サウジアラビアなどからナフサを下回る価格のものに対象を絞って手当てしている。ただし、誘導品の構成バランス上の制約があるので数量は多くない。構成比はせいぜい10%であり、90%は引き続きナフサに依存している。
 同様の動きは三井化学など他のエチレンセンターの間にも広がる傾向にある。しかし、専用タンクが不足していることもあって、採用量は少ない。こうした点は、使用原料の50%内外をLPGで占めてナフサへの依存度を極力引き下げる戦略を取れるサウジアラビアの石化企業などと大きく異なる。西欧のエチレンセンターにも大きく水をあけられている。