2021年04月16日 |
東北大調査「歯を失うと抑うつになりやすい」 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学 歯学研究科の相田潤教授らのグループは16日、「歯を失うと、なぜ抑うつになりやすいか」についての調査結果を発表した。話せない、笑えない、咀嚼できない、などとの関係が明確になった。 抑うつは高齢者にとって大きな健康問題の一つであり、日常生活への影響だけでなく、認知症や要介護状態、死亡のリスク上昇にもつながる。これまでの研究で、歯の喪失と抑うつとの関連は示唆されてきたが、そのメカニズムまでは明らかでなかった。 今回の研究では、65歳以上の抑うつ状態にない地域在住の高齢者約9千人を対象に、歯の本数と3年後の抑うつ発症との関連のうち、3つの口腔機能(発音・表情・食事)の問題がそれぞれどの程度、その関連を説明するのかを明らかにした。 その結果、歯が20本以上の人に比べて19本以下の人は、抑うつ発症のリスクが1.30倍高いことが明らかになった。また、その理由について「うまく話せないこと」が12.4%、「歯をみせて笑うのをためらう」が16.9%、「咀嚼困難な食べ物があること」が21.9%を占めた。 同研究結果から、歯が少なくなると、会話や表情、食事といったコミュニケーションがとりにくく、口腔機能の低下が社会生活に影響し、抑うつの発症といった全身の健康状態の悪化にもつながる可能性があることが示唆された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210416_02web_tooth.pdf |