2021年04月19日 |
京大、体の勝手な「動き」の治療法発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学の金子周司 薬学研究科教授らの研究グループは、統合失調症治療薬の長期使用で起こる口唇ジスキネジアという副作用が、解熱鎮痛薬アセトアミノフェンの併用によって抑えられることをヒト副作用データベースと診療報酬請求記録(レセプト)の臨床ビッグデータ解析を用いて発見したと発表した。 ジスキネジアとは、自分の意志とは関係なく、体の一部が勝手に不規則な動きする現象のこと。 研究グループは次に動物実験でジスキネジア症状を再現し、アセトアミノフェンが動物で治療効果を発揮することを実証した。 また、アセトアミノフェンが体内で別の物質に変換されることに着目し、鎮痛作用を起こす本体であるAM404という物質がジスキネジアを抑制していること、そのAM404は脳内にあるTRPV1というイオンチャネルを刺激することで脳の神経活動を正常化していることを見出した。 本研究によってジスキネジア治療に安価なアセトアミノフェンが使えるだけでなく、TRPV1を標的とする新たな創薬が可能になり、薬剤性ジスキネジアに類似した他の多動性障害への応用も期待できる。 同研究成果は、4月16日に、国際学術誌「JCI Insight」に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2021-04/210416_kaneko-0ccb1d5b3579e56e0c76ac5912910335.pdf |