2021年04月20日 |
九大、日立造船など4社と洋上風力共同研究 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:九州大学 |
「洋上風力発電」技術の開発に取り組む、九州大学 応用力学研究所の内田孝紀准教授は19日、東芝エネルギーシステムズ、日立造船、東京ガス、ジャパン・リニューアブル・エナジーの4社と、共同研究契約を締結したと発表した。風車模型を用いて、風力の計測や低コスト化のための研究を加速させる。 内田准教授は、大規模洋上ウィンドファームのバンカビリティ(融資適格性)評価や、低コスト化に直結する「風車ウエイク」の研究を今後の最重要課題と位置づける。具体的には、風車模型を用いた室内風洞実験、スーパーコンピュータによる大規模数値シミュレーション、またライダー等のリモートセンシング技術やドローンによる商用大型風車を対象にした野外計測を実施する計画だ。 野外計測は、日立造船とジャパン・リニューアブル・エナジー両社が運営する風力発電所を活用する。風洞実験や数値風況シミュレーションによって得られたビッグデータにはAI技術を取り入れる。 共同研究のコア技術は、内田准教授が開発中の「数値風況予測モデル・リアムコンパクト 」。最大の特長は、風向変化や大気安定度などを考慮しながら、風車ブレードの回転に起因した風速減衰効果(風車ウエイク)とその非線形・相互干渉を時間の変化とともに忠実に再現する点にあるとしている。 同研究の内容は、4月9日に国際学術雑誌「energies」に紹介された。 |