2021年04月23日
東北大など「病原細菌が臓器を壊す仕組み」解明
【カテゴリー】:行政/団体
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東北大学、琉球大学、沖縄科学技術大学院大学の研究チームは23日、病原細菌が臓器を壊して感染する仕組みを解明したと発表した。

レプトスピラ症を引き起こす細菌「レプトスピラ」は、河川のレジャーなどで皮膚や粘膜から血流に入り、標的臓器へと広がるが、そのメカニズムはこれまで不明だった。水や土壌などで直接的な接触によって経皮的に感染することは知られていた。

レプトスピラ症は急性熱性疾患であり、感冒様症状のみで軽快する軽症型から、黄疸、出血、腎障害を伴う重症型(ワイル病)まで多彩な症状を示す。

感染が起こる臓器では、隣り合う細胞どうしが「細胞をシールする装置 」によって密着することで、臓器の構造と感染阻止を含む生理機能が維持されている。

今回、研究グループは、感染が起こるときに レプトスピラが細胞をシールする装置を壊すことを明らかにし、さら にその破壊を阻止することに成功した。レプトスピラによる臓器破壊の仕組みを解明したことで、今後は新規治療薬開発への応用が期待できる。

同成果は、4月16日に英国の学術雑誌「Cellular Microbiology」誌のオンライン版で公開された。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210423_02web_leptospira.pdf