2021年05月12日 |
産総研、有機ケイ素原料合成用の新触媒開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所 |
産業技術総合研究所は11日、NEDOの「有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術」開発プロジェクトで、高機能複合材料の製造に利用されるシランカップリング剤などの有機ケイ素原料を効率的に合成できるロジウム錯体触媒を開発したと発表した。 シランカップリング剤は有機ケイ素材料の一つで、ガラス繊維や二酸化ケイ素(SiO2)などの無機材料と樹脂やゴムなどの有機材料を相互結合する性質を有している。この性質を生かして、低燃費性とグリップ性に優れたエコタイヤや、温度サイクルに強い半導体封止樹脂、軽量で強度に優れた繊維強化プラスチック(FRP)などの高機能複合材料に広く利用されている。 今回開発したプロセスは、ごく微量のロジウム錯体でも目的とするシランカップリング剤原料を実験室レベルで99%以上の収率で単一合成することができる。高コスト要因となっている副生成物の精製工程を大幅に簡略化できるため、さまざまなシランカップリング剤を安価に供給することが可能となる。 今後、エコタイヤや半導体封止樹脂、FRPなど高機能複合材料が安価に製造できると期待できる。 詳細は、5月11日に英国の学術誌「Communications Chemistry」に掲載の予定 |