2021年05月14日 |
JST、輸送時の振動・揺れを低減させる装置開発 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:科学技術振興機構 |
JST(科学技術振興機構)はこのほど、輸送時の振動・搬送物の揺れを低減させる装置を開発したと発表した。宇宙航空研究開発機構(JAXA) の研究成果をもとに、2018年から多摩川精機(長野県飯田市、関重夫社長)に委託してきた実用化開発の成果となる。 これまで、振動や揺れに弱い搬送物を安全に運ぶ方法としては、ばねやゴム材などの柔軟な防振材で支えた防振器具が用いられてきた。しかし柔軟な防振材は、それ自体の共振作用によって反って大きな振動を生じさせてしまうこともあり、常に振動を抑制できるわけではなかった。また、車両の傾きによる影響や加減速・右左折の加速度によって生じる搬送物自体の揺れを防ぐことも難しかった。搬送物にかかる加速度の低減効果を定量的に示すことも困難だった。 研究チームは今回、JAXAの防振(振動絶縁)技術と、多摩川精機の無揺動化技術を組み合わせることにより、振動と揺れの両方を低減し、定量的な輸送品質を確保する無揺動防振装置を開発・製作した。 同装置は、振動や揺れに弱い精密機器や文化財、美術品を保護するとともに、振動でたんぱく質凝集体を生じやすいバイオ医薬品の品質低下を防ぐなど、医療分野の輸送でも活用が期待できる。今後は航空機などにも応用展開できるとしている。 ニュースリリース参照 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20210512/pdf/20210512.pdf |