2021年05月18日 |
産総研と日本ゼオン、CNTシリコーンゴム材料開発 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所 |
産業技術総合研究所は18日、日本ゼオンと共同で、単層カーボンナノチューブ(CNT)に高導電性を付与することで、医療機器の電極パッド等に適応できる導電性シリコーンゴム複合化材料を開発したと発表した。 高純度の単層CNT(ZEONANO・SG101)をシリコーンゴムに高分散させ、従来品よりも安定した高導電性をもち、柔軟で耐久性に優れたCNTシリコーンゴム複合材料を作製することに成功した。 これを医療用ウエアラブル機器に実装することで、神経疾患に悩む人たちの苦痛を和らげることができる。 スマートフォンなどの普及に伴い、ウエアラブルデバイスは、さまざまな医療用途に導入が検討されている。 医療用ウエアラブルデバイスは電極センサーを用いたタイプが多く、脳や筋肉の活動、心電図などの情報を受動的にモニタリングするだけでなく、神経に対して能動的に電気刺激を加える疾患治療法にも活用できる。 こうした生体電極センサーには、皮膚との密着性を高めるための柔軟性に加え安定した導電性が要求される。 また、皮膚を通じて体内に電気的刺激を加えるために、ゴムシートの厚み方向への導電率が高く、そのばらつきが小さいことが求められる。 産総研は2004年に高純度かつ分散性に優れた単層CNTの合成のためのスーパーグロース法を開発し、2015年に日本ゼオンが量産化に成功した。2017年には産総研、日本ゼオン、サンアロー(東京都中央区)の3者でオープンプラットフォームのCNT複合材料研究拠点(TACC)を設立、さまざまな製品化開発を進めてきた。 今回、産総研と日本ゼオンが実用的なシリコーンゴム複合材を開発したのはそれらの経緯による。 ニュースリリース参照 https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2021/nr20210517/nr20210517.html |