2021年05月19日
京大など、腸呼吸の応用で呼吸不全治療に成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学医学研究科の伊達洋至教授、東京医科歯科大学 医歯学の武部貴則教授らの研究グループは19日、名古屋大学の芳川豊史教授と共同で、重篤な呼吸不全に対して、腸換気法が有効なことをつかんだたと発表した。

 新型コロナ感染症の重症呼吸器合併症による呼吸不全に対しては、現在、人工呼吸器や人工肺(ECMO)による集中治療が行われている。だが、これらの医療機器には高度な専門性と費用が必要となる。そのため、従来から治療負担を軽減するための新たな呼吸管理法の開発が待たれていた。

 研究グループは今回、腸に酸素を供給する方法により全身の酸素化を可能とする腸換気(EVA)法を開発した。
 EVA法は、呼吸不全モデル動物の生命予後を改善できることを明らかにした。また、モデル動物によって明らかな有害事象は認められないことも確認した。
 
 これらの成果は、呼吸不全に対する新しい呼吸管理法の開発に貢献すると考えられる。
 同研究成果は、2021年5月15日に、国際学術誌「Med」のオンライン版に掲載された。