2021年05月24日 |
東大など、スピン流を超簡単にon/offスイッチ |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学 物性研究所の近藤猛准教授ら研究グループは21日、大阪大学、北海道大学、東京理科大学、学習院大学、理化学研究所などと共同で、擬一次元TaSe3(Ta:タンタル、Se:セレン)が、スピン流を生成するトポロジカル絶縁体状態にあり、その結晶を少し歪ませるだけで、通常の絶縁体へと容易に変化させられることを見出したと発表した。 スピン流の制御は、スピントロニクスを確立する上での課題で、その手法として、トポロジカル絶縁体状態と通常絶縁体状態を行き来するトポロジカル相転移を用いる手法が期待されていたが、両者を瞬時に切り替え制御する手法は確立されていなかった。これまで、物質の一部の元素を置換することでトポロジカル相転移が生じることが実験的に示されていたが、この手法では、応用に必要となる瞬間的なon/off制御はできない。 今回研究グループは、基板に試料を乗せ、それを少し曲げるだけの簡単な手法でトポロジカル相転移を生じさせ、スピン流をon/offスイッチングできることを初めて実証した。 同成果は、英国科学誌「Nature Materials」の5月20日にオンライン掲載される。 <用語解説> ■ トポロジカル絶縁体状態とは: 普通の絶縁体状態とは異なり、非自明なトポロジーに起因して結晶表面にスピン流が発生する状態のこと。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/210521_pr.pdf |