2021年05月24日
京大、ビフィズス菌とラクチュロース 仕組み解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学の片山高嶺 生命科学研究科教授は24日、森永乳業、昭和女子大学(飯野久和教授)らと共同で、ビフィズス菌がラクチュロースを利用する仕組みを解明したと発表した。

 今回研究で、ビフィズス菌の持つ基質結合タンパク質LT-SBPが、ラクチュロースの利用に関与していることを特定した。また、日本人394名中のうち353名(89%)の腸内細菌叢から、LT-SBP遺伝子が検出された。多くの日本人がラクチュロースを利用するビフィズス菌を腸内に保有していることがっわかった。
 
 さらに、腸内細菌の有するLT-SBP遺伝子量の違いが、ラクチュロース摂取によるビフィズス菌増殖作用に影響することが判明した。

 同研究成果から、多くの日本人はラクチュロースを利用できるビフィズス菌を腸内に保有していること、腸内細菌を事前に解析することで、ある程度ビフィズス菌の増殖作用の予測が可能であることが示唆された。

 本研究成果は5月10日に、国際学術誌「Communications Biology」に掲載された。


<用語の解説>
ラクチュロース :牛乳に含まれる乳糖を原料として作られるオリゴ糖で、ミルクオリゴ糖とも呼ばれる。一緒に摂取したカルシウムの吸収を高めることも知られている。