2021年05月25日 |
日鉄ケミ、マリンバイオの製鉄利用技術開発へ |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:日鉄ケミカル&マテリアル |
日鉄ケミカル&マテリアルは25日、日本製鉄および(一財)金属系材料研究開発センターと共同で、NEDOの先導研究プログラム「ブルーカーボン追及を目指したサプライチェーン構築技術の開発」に応募し、採択されたと発表した。 ブルーカーボンとは、海洋生態系による炭素貯留、つまり生物によって大気中のCO2が取り込まれた海に貯留した炭素をいう。長い海岸線に恵まれた日本にとってブルーカーボン技術の開発は地球温暖化対策・産業育成の両面からも有効とされてきた。日鉄ケミなど3者は今回、この技術開発事業の委託先に採択された。 3者はまず、臨海製鉄所という地の利を生かして、カーボンニュートラル材のマリンバイオマス(海藻)を生産し、それを製鉄プロセスの中で利用する「バイオマスの地産地消」という、新たなサプライチェーン構築を目指す。 利用については、製鉄プロセスで利用される炭素源(炭材や炭素材料)としての活用を検討する。 生産は、製鉄プロセスで発生する鉄鋼スラグを利用した技術(藻場造成)を生かして、海藻を育種する。 マリンバイオマスのカーボンニュートラル材としての検討は、世界的に例のない研究として注目される。 今後は、経済性やCO2削減効果を含めた事業性検討を急ぎ、実証段階への道筋づくりを目指す。 <事業内容> ■事業名 :マリンバイオマスの多角的製鉄利用に資する技術開発 ■研究開発項目 : (1) マリンバイオマスの高炉装入物など炭材としての利用検討(炭材製造に係る技術検討、利用性検討、製造システム構築に向けた技術調査、その他の製鉄利用に向けた可能性検討) (2) マリンバイオマスのピッチ・タールなど炭素材料としての利用検討(水熱炭化実験、水熱 炭化物の評価) (3)マリンバイオマスの大量・安定生産技術の開発(ライフサイクル制御、ゲノム編集技術の導入) ■事業期間 :2021年度~2022年度 ■予算 1.4億円 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1621910073.pdf |