2021年05月26日
北大、化石サンゴから1000年前の海水温を復元
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

北海道大学大学院 理学研究院の研究グループは26日、過去1,000年間と比べて現在のアラビア海の湧昇流が弱まっていることを発見したと発表した。

インド洋の夏季モンスーンによって発生するアラビア海の湧昇流は、深層の海水を海洋表層へ輸送している。このときに輸送される海洋深層の低海水温及び富栄養な海水は、海洋表層の生態系や周辺の気候に大きな影響を与える。

同研究グループはアラビア海産の造礁性サンゴの酸素安定同位体比やSr/Ca比(ストロンチウム/カルシウム比)を分析し,1,000年前から現在までの海水温・塩分変動を復元した。その結果,近年の湧昇流は過去1,000年間と比べて弱くなっていることを解明した。

このアラビア海の湧昇流の弱化傾向は、インド洋周辺の気候や漁業に影響をもたらすことが予想される。

同研究成果は5月24日公開の「Geophysical Research Letters」誌に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/210526_pr.pdf